【著作権】とんでもない法案が審議されている: たけくまメモ

同人作家は深刻なダメージが、とか、二次創作関係になぜか話が広がってるようですが。
知的創造サイクルに関する今後の課題という元ネタとなった資料を読んでみましたけど、二次創作に関しては欠片も話題にはあがってないですねぇ。そもそも主題は「悪質化・巧妙化する海賊行為を積極的に取り締まるため、著作権法における親告罪の取り扱いを見直すべきではないか。」だし。
具体的方策としても、「営利目的または商業的規模の著作権等侵害行為」の場合にのみ非親告罪化する、と限定化されてますし。非営利的な二次創作同人活動は、全然問題ないんじゃないですかね。
議事録の方も、特にそれといった話はなし。むしろ、非親告罪化して意味があるのか、といった話し合いもなされていて、興味深いです。以下、引用。

○久保利委員 それに関連して親告罪の問題ですけれども、むしろ私は見直しをしていただくことは、それ自体はマイナスではないのではないかと思います。
 ただ、中山先生もおっしゃったとおり、今どういうふうになっているかというと、親告罪ですから告訴権者が必死になって証拠をそろえて訴えに行くわけです。そうしますと、基本的にはリジェクトされるわけです。やりたくないんです。それから、やる能力も余りないんです。したがって、捜査当局はなるべくならばこの著作権問題には触れたくないというふうに思っていますから、なかなか受けてくれないのですが、あれやこれや証拠書類をそろえてどうだ、これでもかと言って持って行ってもし警察がやらないのならば、それこそマスメディアに発表して警察はこういう犯人を甘やかそうとしていると言いますよというくらい脅かさないと、なかなか引き受けてくれない。その代わり、引き受けてくれたら警察のメンツにかけてもやってくれるわけです。
 ということは、それだけ本気になった侵害された人がいれば警察は結局は渋々ながらでも動いてくれるというのは、実は親告罪だからそうなっているわけで、親告罪でないということになると告発はしましたよ、親告罪ではないけれども一応御通知しましたよ、捜査の端緒を与えましたと言っても、さあ動くのか。動くときに親告罪で告訴を受理してしまうと、あとはその事件をどうしたかということを報告し、内部できっちり検査をしなければいけなくなりますから、やることはやってくれますが、何もないとなるとやってくれるのかなというところがあるわけです。その意味では、私も親告罪にするということが直ちに捜査当局が非常にやりやすくなるということにはならないだろうとは思います。

とか。だからこそ判断基準を「営利目的」とか簡単に判断できるものにしよう、とかしているんじゃないですかね。ますます非営利的な二次創作関係は縁遠いような。
まぁこれを歪めた形で「すべての二次創作物を非親告罪として取り締まれる」という法律が制定されればそれは問題でしょうし、そういう方向で動いているなら止めなきゃまずいでしょうけど、今の方向性であればむしろ積極的に応援したいですね。これの成立で海賊版がなくなってくれれば、嬉しいですから。(自分が開発に関わったパッケージソフトが市価の二割程度の値段の海賊版で売られちゃってるのを見ると、やるせなくなるしねぇ……)