TVアニメ版AIR

さて、3話放送まで後2日となったわけですが、その前にちと前2話を振り返ってみたいと思います。いや、単に僕が録画しておいた2話を見て新たにした感動を書き散らしたい、ってだけなんですけどね。
先日の書き込みで「神」と書いたわけですが、僕はそう簡単にそのような最上級の評価を下すわけではありません。いろいろ理由はありますが、総じるところ「スタッフのこだわり」というところに行き着くかと思います。
とくかくこのアニメは、原作らしさをだそうというこだわりが見えます。夏の港町、という舞台もそうです。原作に登場した風景もいくつか登場していますが、もちろんそれ以外の風景も登場しています。そのアニメオリジナルの部分と原作の部分、両方がまったく違和感なく、ひとつの町を作り上げています。
キャラクタもそうです。原作のキャラクタ絵はかなり特徴的な絵で、これをアニメ化するのはかなり無茶じゃないか(実際、アニメ版Kanonは通称「顎」とよばれるようなものになってしまった)、と思われていましたが、この難問をクリアし、原作の雰囲気を残しつつちゃんと動く絵となっています。それも実にそれらしい動きをしています。観鈴の歩き方ひとつとっても観鈴らしいし(そういえばOPで往人と歩く場面、観鈴は往人の影を踏んで歩いてるんですねぇ。芸が細かい)、佳乃が身振り手振りを交えて話すのもそれらしい。
音楽に関しても完全に原作のもののみを使っているのが、また原作ファンにとってうれしいところです。そもそもこのゲームは音楽が高い評価を得ていた部分もあり、一部の曲はパブロフの犬状態に涙が出てくるようにすらなっています。
そして一番重要なのはシナリオです。かなり駆け足とはいえ、原作の流れをかなり忠実に再現しています(細かいイベントの差異はありますが)。まぁ駆け足ではありますが、全体の量から考えると、この位やっておかないと最後まで入らないのでしょうけれど。それに、ちゃんと後々の伏線となるようなイベントはきっちりと押さえています。神社に訪れている晴子、というあからさまな伏線はもちろん、友達に拘る観鈴、というのも言動が電波っぽく見えるのが承知で入ってるし、人形劇が面白くない、と事ある毎に言われるのも、ただのお笑い用シーンだけではないです。
しかし、ただ原作通りにすべてを作っているわけではありません。原作では文章でのみ語られた部分、動いているところを見たかった部分が、つぼをついたように映像化されています。
先に述べたキャラの動き全てがそれに当たると言えますが、他に動きで言えば、みちると往人の戦闘(笑)シーン、なまけものの動くところ、その直後のポテトのダンス等々。
そして重要なのがしのさいかと国崎最高ですか。
しのさいかは原作では立ち絵すらない単なる脇役でした。が、それにも関わらず2ちゃんねる葉鍵板で開催された最萌トーナメント*1で1回戦を勝ち抜けるという、濃いファンなら誰でも注目するキャラクタ。
国崎最高は、本来イベント絵など全くない只の一シーン(しかも選択肢によっては出てくることもない)だったはずなのに、何故かその言葉だけ葉鍵板で暴走。ひたすら「国崎最高!!」とだけレスをつけているスレが何故か異常に延び*2、今では最高といえば国崎往人のことを指すまでになってしまっています。
こういうシーンを映像化(しかも国崎最高は派手に誇張されている)してくれるのは、完全に「分かった」上でのファンサービスだと思われ、やはり賛辞の言葉しか浮かんでこないのでした。
……といったところで、おわかりいただけましたでしょうか>多分N氏とか
映像が綺麗、とかそういうのは百万回既出だと思われるので、語りません(ぉぃ

*1:1日2キャラずつ、どちらのキャラが萌えるか投票する、ということを128人のトーナメント方式で行う壮絶に馬鹿げた(褒め言葉)イベント。開催から終了まで3ヶ月かかっている。http://saimoe.s10.xrea.com/

*2:現在は38スレ目。http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1105146249/