Final Fantasy XII

とりあえずクリアー。ラスボス戦はほとんど問題なし。一度も戦闘不能になることなく終了。
というわけでこの時点で全体を通した感想など。
総括すると、おもしろかった。というかまだおもしろい。まだ少しはこれで遊んでいると思われます。ラスボスクリアは単なる通過点に過ぎず(セーブはできないけど)、まだまだサブイベントはたくさんあるし、強い敵もたくさんいる。アイテムもまだまだ取ってないのがあるし(エクスカリバーとかないし)、モンスターリストも全然埋まってない。まだ行ってない場所もあるし、とにかくやれることはたくさんあるしねぇ。とにかく、遊び尽くしたとはまだまだ言えない状態です。

よかった点。

  • 主人公が普通の一般人だったのがよかった。特殊な運命を背負ったものがたどる数奇な運命、みたいなシナリオは嫌いなもんで。Role Playing Gameだもの。役割を遊ばせられるようなゲームは嫌なのですよ。
  • 戦闘が苦にならない。フィールド移動と戦闘がシームレスに移行する、というのもそうだし、ガンビットを組めば戦闘およびその事後処理を楽に進められる、ということもある。「移動するだけで自分で操作する必要がないからおもしろくない」という意見を聞くけれど、それはキャラを育てて、ライセンスを取って、装備を決めて、ガンビットを組んで、とやった結果であって、僕はむしろキャラの成長を感じ取れてうれしかった。(むしろおもしろくないのは、自分の手で苦労してキャラクタを成長させてないんじゃないか? とか邪推してしまうくらい)
  • 行動の自由度が広いのがよかった。シナリオの進行度で制限されることはあったが、それでもかなり自由に歩き回ることができた。敵が強くて先に進めない、とかはあったけど、それをかいくぐって無理矢理先に進む、とかできるのがなかなかおもしろい。
  • アイテムやらモンスターやらに、今までのFFやFFTのものが総出演しており、にやりとさせられる。召喚獣なんて旧FFのラスボスが出てくるし、FF5の人気キャラのギルガメッシュには専用のBGMまであるというこだわり具合。

悪かった点。

  • シナリオ、というか主人公の影の薄さ。一般人なら一般人なりに、この話にもっと自己主張を出せたと思うのですよ。パンネロなんて、ほんとうにただくっついてきただけ、って感じだったし。あと、最後の方、アーシェがバルフレアの名前を叫ぶくだりも唐突だし。恋愛感情で叫ぶなら描写が不足してるし、仲間として叫ぶなら前振りが変だし。結局全体的な、キャラクタの描写・書き込み不足なんですかねぇ。
  • 技がたくさんあるけど、大半を使わなかった。盗むと遠隔攻撃くらいかな。攻撃破壊とか、雑魚はそんなものを使う前に勝負がつくし、ボスにはきかないし。
  • 召喚獣が使えない。呼んでもすぐやられるし。召喚したキャラの替わりに行動する、とかならよかったんだけどねぇ。
  • ディスクアクセスが遅い。HDDに対応してくれたらよかったんだけどねぇ。こればっかりは本当に残念。
  • ヴァンとパンネロの声優がちょっとなぁ。素人っぽい。ただ、他が王女とか空賊とかドラマっぽい中にいる、単なる一般人を演出する意味では、ああいう素人っぽいのもありだとは思う。でもちょっと、ちゃんと発音できていないのはどうかと思うなぁ。

どちらとも言えない点。

  • 時間がかかる。結局クリアまで105時間くらいですかね。モブ狩りとかしていなかったらもっと早く終わったとは思うんだけど。社会人にはつらいのですよ。
  • マップ広すぎ。歩くのは特に。でも広いからこそ世界を感じられた、とも言える。国と国だもんなぁ。あれくらい離れてないと、遠いって感じはしないよなぁ。
  • 武器の種類多すぎ。能力の違いがよく分からなくて、使っていないのも多々。特に計算尺とかどう使えばいいんだろう……? あれくらい、魔法でかけた方が早いって。
  • ラスボスより強い連中がたくさん。まぁ、やりこみ要素だし。なんか情報によれば、レベル99でも倒すのに2〜3時間かかるのがいるとか。すごいねぇ。

今までのゲームと比較して。

FF7から出てきたシナリオ主体のFFを期待したら裏切られるでしょう。制作者が考えた安易な押しつけの感動が欲しい、って人にはきっとつまらないです。最近はそういう方が人気みたいですが。僕も嫌いじゃないですよ、でもそんなのはわざわざRPGでやる必要もなく、アドベンチャーゲームで十分じゃないですか。
今回のFFは……そうですね、Black Onyxで井戸の底のクラーケンに勝てるようになったときの感動、とか、FF5ですっぴんマスターまで育てきった感動、とかWizardryでムラマサブレードを手に入れたときの感動、とか、そっちの要素の方が大きいような気がします。そういえばアイテムの入手もランダムだし。最強の矛、とかあるらしいですね。入手確率が相当低いようですが。こういうレアアイテムを入手出来た時の感動、というものもあると思うのですよ。どうも安易に入手できない、といって切れて否定している人たちもいるようですが。
つまり、過程を楽しめるかどうか、ですね。成長すること自体を楽しめるか、とも言えますか。最近はどうも流行らないみたいですけどね。攻略本全盛でプレイヤーが苦労することを業界が否定しちゃいましたから。ゲーム=安易に快楽を与えてくれるもの、となってしまっている。苦労した上で得られる快感はもはや見向きもされなくなっているようです。
とても残念なことですが、これもゲーム業界が自ら蒔いた種でしょう。この流れの中で、FF12のような時代に逆行した主旨をもったゲームが再び出たのは、あるいは一つの奇跡のようなものなのかもしれないなぁ、などと、どこぞのレビューを眺めながら思ってみました。いや、ほんと、酷いねこりゃ。