うたわれるもの 第26話

いくつかの謎を残したまま綺麗に終了。……いや、うーん、やっぱりちょっと不満です。ちょっとだけ。全体で見れば大満足。なんだけど……うーん。展開が悪いとかじゃなくて、時間が短すぎて感慨に浸る時間がない、っていうのが最大の問題ですか。いやもちろん、最後のハクオロとエルルゥの対話のシーンとかはとてもよかったんですけどね。キスシーンとか本編には無かったけど、実に美しくまとまっていたし。
ただ一番残念だったのはユズハの扱い。ゲームはハクオロとの間に自分の生きた証としての子供を設けてから死ぬのだけれど、アニメはそれもなくあっという間に死んでたし。まぁ、エンディングで突然死んでたのはゲームも一緒だけど。せめて、死ぬまでの間世界に触れさせてやりたいと二人旅に出る、とかしてあげられなかったのかなぁ。
その後のアルルゥカミュの会話、次の部分が削られていたのはとてもとても残念。

カミュ】「いろいろと‥‥あったよね」
カミュ】「でも、アルちゃんがいてくれたから、大丈夫だったんだよ」
カミュ】「‥‥‥‥」
カミュ】「これからも‥‥トモダチでいてくれる?」
アルルゥ「ん」
カミュ】「アルちゃん‥‥」
カミュ】「えへへ‥‥」

これがあれば、二人の友達であるユズハが死んで、相当落ち込んで、でも二人して立ち直ってきた、ってのも含まれる感じがするんだけどなぁ。
他にもいくつかアニメだけだと分からない部分とかあるんで、ゲームプレイ後の考察+様々な考察サイトを見て回った結果+アニメ視聴後の考察を、時系列順に並べて見ました。興味のある人はどうぞ。正解という保証はないですが。
もちろん、どうしようもなくネタバレです。これからゲームを遊んで差を楽しむ、という人は見ない方がいいでしょう。











上にも書きましたが、正解という保証はないし、ネタバレです。

現代、もしくは近未来。

とある施設で、人類のミッシングリンクを埋めるらしい化石を秘密裏に調査していたが、部外者に知られてしまう。この部外者は銃で撃たれてしまうが、その時飛び散った血に反応し化石が目覚める。望みを叶えようと化石が語りかけてくるが、瀕死の男は死の直前の幻覚ととらえ、眠らせて欲しいと言ってしまう。こうしてこの男は氷漬けとなり、数千年を眠って過ごすことになる。またこの化石の顔の骨が男の顔に張り付く(牙が角に見えるように、逆向きに張り付いている)。

数千年後

男が眠っている間に人類は滅亡の危機に瀕していた。戦争か災害かは分からないが地球上が荒廃し、人類は地下に逃れ長い年月をかけて地上を甦生させた。やがて地上は回復し、緑なす大地になったものの、人類はその地表の微生物に耐えられないほど弱い生き物になってしまっていた。
そこに、氷漬けの男が発見される。この男の顔には奇妙な仮面が張り付いていた。調査の結果、仮面から延びる極細のワイヤーが脳に絡まっており、男の身体能力は通常あり得ないほど高まっていた。
人類はこの仮面の調査をするとともに、男の細胞を採取。実験的に動物のDNAと合成することにより、身体能力の優れた生物を作り出そうとした。全ては自分たちが再び地上に戻るためである。
この生物は耳や尻尾にその痕跡を残すものの基本的に二足歩行をする生き物である。だが人類からしてみればただの実験体であり、作っては消していくだけの消耗品であった。ただ例外もあり、兎を元に作られた生物は愛玩用として可愛がられた。また、鳥を元に作られた生物は男の力を強く引き継ぐように調整され、中でも63号はリーダー的存在として作られた。しかしポテンシャルが高すぎる故にサンプルとして保存されることになり、封印された。
仮面については奇妙なことが分かった。男は数千年程度を氷の中で寝ていたはずなのだが、仮面自体は数百万年以上も前のものだというのだ。
研究員達はこの男=アイスマンを起こして直接話を聞いてみることにしたが、記憶を失っていた。様子を見るものの記憶は戻らない。
この間、アイスマンは彼の面倒を見る実験体3510号=ミコトと親しくなり、互いに好きあう様になるのだが、時を同じくしてアイスマンはテレパシーで語りかけられる。実験体63号だというその存在にアイスマンはムツミという名前を与え、ムツミはアイスマンを「お父様」と呼ぶようになる。
数週間後に再びアイスマンを凍結することが決定する。が、ここで思っても見ないことが起きる。研究員の一人であるミズシマが、廃棄する予定だった実験体を地上に逃がしてしまう。このときにアイスマンも一緒に地上に逃げ出してしまった。ミズシマが実験体を逃した理由は本編参照。また本編中ムツミが「私を選んでくれなかった」というのは、この脱走の際にミコトとともに逃げ出したことを言っているものと思われる。さらにエルルゥの髪飾りは、脱走時にミズシマが彼らに渡した研究施設の鍵である。
脱走から数ヶ月。アイスマンはミコトとの間に子をなし、穏やかに暮らしていた。しかしアイスマンを捕まえるべく、研究員達は生体装甲「アベル・カムル」をまとった部隊を投入、見事アイスマンの確保に成功する。(ゲーム版では。アニメは単なる防御服だった)(このアベル・カムルが、ディーとの契約によりクンネカムンに渡されたアヴ・カムゥである)
アイスマンと実験体に子供が出来ていたことを知った研究員達は、子供自体には手を出さなかったものの、母体であるミコトを解体し、研究材料にしてしまう。この事実を知ったアイスマンは、その怒りから自身の内に秘めた力を発動させてしまう。人を進化させた、という神のごとき力である。
「長く生きたい」という研究員、つまりこの時代の人類の願いを歪んで叶え、彼らをスライム状の生物へと変化させる。また異常を察知した他の地区から攻撃衛星「アマテラス」で攻撃されそうになるも「死にたくない」という人類の願いを歪んで叶え、逆に「アマテラス」で他の地区を攻撃、次々と壊滅させていく。
この有様にアイスマンの意識は二つに分かれてしまう。こうした行為を望む意識と、拒絶する意識に。拒絶する意識の心の叫び「我を滅せよ」に反応するものがあった。ムツミである。「お父様の望みならば」とムツミはアマテラスで攻撃するも存在を滅するまではできず、やむなく封印を施すことになる。

封印後の世界

この世界からは人類が姿を消し、実験体=今の世界の人のみが生きている状態になったが、生活水準等は大きく下がっている。
元はアイスマンだった存在は封印されたものの、二つに分かれた心は元に戻ることはなく、封印の長き眠りの間に二つの独立した存在となっていった。
数百年の時が経ち封印の力も弱まり、この二つの存在は眠りと目覚めを繰り返すようになる。目覚めた方は地上に出て、人に知識や力を与えるなどの人を高みに誘うような干渉を行った。
この存在は神として人からあがめられ、また実際に実験体を旧人類から解放した存在でもあるため、解放者「ウィツァルネミテア」としてあがめられるようになる。
ただ、クンネカムン族は元は愛玩用として作られた生物。彼らにとって、研究員こそが大いなる父「オンヴィタイカヤン」であり、彼らを駆逐した存在であるウィツァルネミテアが忌むべき存在である(かつてクーヤがハクオロに話した事は、この事実が神話として変換されたものである)
ムツミはオンカミヤリュー族の中で転生を繰り返し、常にウィツァルネミテアと共にあった。ウィツァルネミテアを眠らせる為に。
これがエンディングの歌詞にもあるように「繰り返し詠われる者達」ということになる。(エンディングの絵も、ムツミを中心にミコトを抱えるハクオロ=ウィツァルネミテアと、ディー=ウィツァルネミテアということでつじつまはあう)

エルルゥの時代

本来ならば二つの存在が交互に眠りと目覚めを繰り返していたのだが、このウィツァルネミテアの封印地に一人の男が進入する。オンカミヤリュー族のディーである。この男を憑代として、二つ目の存在も目を覚ましてしまう。二つのウィツァルネミテアは互いを滅するために戦いを始める。この戦いは数日に及び、互いに傷つき癒しが必要な状態へとなってしまった。
自分を癒すことのできる傀儡となる存在を探していると、この戦いの最後に発生した地震で木から落ち死にかけている娘と、この娘の姉に出会う。この娘の命を救うことを条件に娘の姉とウィツァルネミテアの契約を結び、自分を癒す存在を手に入れた。これが後日ハクオロとなる存在とエルルゥの出会い、そして契約である。
エルルゥはミコトの生まれ変わりらしい。少なくとも、ミコトの子孫であることには違いなく、研究施設の鍵を髪飾りとして使っている。もちろんエルルゥはそんなことを知らないし、ハクオロは全ての記憶をなくしている。なぜ記憶をなくしているのかについて明確な記述はないが、互いの限界まで戦った後にアルルゥを復活させたため、力の全てを使い果たしたことが関係しているのかと思われる。力が全てなくなったため、元の人間である部分が出てきた、とか。

そして本編へ

基本的な流れはゲームもアニメも一緒。最後に再封印されるのも一緒。

エンディング後

エルルゥが振り向いた先に誰が居たのか。それはゲームでも明示されていません。各人の想像のままに……