マジックスパイス

今日は諸般の事情によりカレーな気分でした。
会社を出てから、どこかでカレーでも食べて帰ろうか、と思っていたのですが、ふと思い出したのが「下北沢にマジックスパイスなる店がある」ということ。
なんでもその店では、とてつもない辛いカレーがあり、その等級は「アクエリアス」と称されるらしい。もちろん、僕はそんな辛いのは食べるつもりはないですが、やはり店ぐらいは押さえておかないと。
思い立ったが吉日、いきなり下北沢で電車を飛び降ります。
……さて、店はどこだ? 思い立ったはいいけれど、知っているのは店の名前だけ。住所も電話番号も知りません。
しかし慌てず騒がず取り出したるは、先日買ったAH-K3001V、通称京ぽんOperaを立ち上げるとGoogleに移動し、おもむろに「マジックスパイス 下北沢」で検索。http://gourmet.zubapita.com/item/400/i20499437/ を見つけ、住所をゲット。ついでにリンクで地図を確認。ふむ、駅からかなり近いようだ。……やぁ、便利な世の中になったものであることよのぉ。
そして台風がもたらす雨の中をさ迷うこと10分(迷わなければ5分くらい?)。その真っ赤な建物は通りから一本入った路地にありました。さすがに午後8時過ぎという時間と雨のためか並んでいる人もおらず、すんなり入りました。
店の中は……エスニックな感じ。明かりが薄暗いのがちょっと気になりますが、まぁこれが雰囲気というものでしょう。
さて、メニューを眺めると……うーん、色々あります。よくわかりません。トッピングも色々あります。さらによくわかりません。ウエイトレスの娘さんを捕まえて色々説明して貰い、結局頼んだのはチキンのカレーの辛さは「悶絶」、追加のトッピングはゆで卵。
辛さのランクは「覚醒」−「瞑想」−「悶絶」−「涅槃」−「極楽」−「天空」−「虚空」の7段階。「瞑想」が普通のカレーの中辛くらいであり、「涅槃」が辛いもの好きな人にお勧め、ということでした。冒頭で出した「アクエリアス」は、そういう辛さではなく単独のメニューでした。曰く「銀河系最強最辛極旨華麗」……なんのことやら。
トッピングは、ゆで卵にしました。卵は甘いので、カレーで辛くなったらこれで調整するといいだろう、ということでしたので。気になったトッピングとしては……かき揚げですか。売り切れているという残念な状態でしたが。
さて、待つこと数分、意外と早く運ばれてきたそれは……言ってみれば、ラーメンの器に入ったスープ、といったところでしょうか。スープの色は薄く濁った程度で、普通カレーと言われて思い浮かべる濃い色とは全く異なっています。もちろん、触感もさらさらしたものです。スープの中は鳥のモモ肉がそのままと、根菜がいくらか。
そして、深めの皿に盛られたライス。付け合わせには、何故かパイナップルがひとかけら。
運んできた店員さん曰く、鳥は柔らかいのでまずライスの上にほぐして、それから食べるとよいですよ、とのこと。なるほど、もの凄く柔らかい。量も結構あります。
具を全部ご飯の上に移動し、スープを少しライスにかけて、さて一口。
……ふむ、なんとも不思議な味です。カレーの風味は確かにするけれど、それ以外の何かの味わいが大きく。どんな味かは……説明不能。南国風、というんでしょうか。
辛さは……辛いけれど飛び上がる程でもなく、ちょっと物足りない感じ。これは自分の選択ミスですかね。やはり日頃の鍛錬の成果でしょうか。
ただ言えるのは……非常に後を引く味だ、ということ。熱狂的なファンが多い、というのもうなずけます。
ライスの量に対してスープが多かったものの、最後の1滴まで完食。実に美味しかったです。それに、なんというか胃の辺りがぽかぽかする感じ。さらにその後、やけに体がすっきりしたような感じになりました。これがスパイスの効用なんでしょうか。通常のカレーはやはり油脂分がある以上、どうしても食後もたれる感じがあったりしますが、スープカレーだからそれがない、というのも大きいのでしょう。
会計時に聞いた話だと、涅槃以上になると具のボリュームがアップするとのこと。なるほど、Webで確認できる情報では、具がたくさん、と書かれています。今度来た時は是非涅槃に挑戦してみよう、と思いました。


そうそう、この店でも「僕が初めて訪れた店では何か店員がファンブルする」伝説は有効でした。トッピングとしてゆで卵の他に間違って生卵まで入れてしまった、ということでしたけど。
その分タダにしてくれたし、何よりそれを申し訳なさそうに言ってくれた店員の娘さんが、眼鏡ッ子系ドジッ子風味だったのでよしっ(ぉぃ