劇場版AIR

さて、買ってきたパンフレットを今更読んでみました。
まず思ったのは……誰か出粼監督に、AIRを解説してやれなかったのか? ということですか。
この作品が作られる流れとして、脚本担当の中村氏がまず脚本を書き、それを出粼監督に見せて修正する、という方法を取っていたようです。ですがここに最大の問題があったようです。
「中村氏が出粼監督の質問に答えられない」
それもAIRをちゃんとやっていれば誰でも答えられるような質問です。「観鈴と神奈の関係は?」とか、「観鈴が病気になって死んでしまうのはなぜか?」とか。
つまり、シナリオを詰める人間が、AIRのコアとなる部分知らずにストーリーを作っていたのですから、AIRではないものができるのも当然ですね。結局最後に残ったのは、中村氏の脚本から出粼監督が感じ取った「若者の生き方みたいなこと」だった、ということでしょうか。昨日の感想で「主題がAIRではない」と書きましたが、この経緯で作られたものならばそれも当然だ、と言ったところでしょう。
まったく残念なことです。ちゃんと監督にAIRを理解した上で映画を作って欲しかったです。……演出はもう少し控えめでもいいかもしれないですけれど。
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追加考察。アニメ本体じゃなくて、状況について。
キーワード検索で調べたり、某巨大掲示板を見にいけば分かることですが、劇場版AIRは賛否両論。特に強硬な否定的意見が目立ちます。
確かにAIRとしてはアレだけど、普通のアニメ映画としてみたらまぁそこそこ見れるし悪くはないよなぁ、と思っていたんですが、考えてみれば劇場版AIRの前売り券って去年の8月頃から売られてたんですねぇ。しかもそのころのプロモーションムービーとかは、いかにも本編をなぞります、って風味ばっちりで。そういえば観鈴の「夢を見ました……」から始まる有名な台詞も、言われず仕舞いだったしなぁ。(そもそも、夢なんて見てないし)
それでこの内容じゃあやるせないだろうなぁ。