伊豆高原温泉旅行2/3

(この日記は2/9にまとめてアップされています)


朝6時半に目覚ましで起床。もちろん、朝風呂のためである。湯船の中で手足を伸ばすと、指先がじんわりと暖まっていくのが分かる。こういうのが温泉の良いところである。ちなみに他の客はいないものの、先客がいたらしい痕跡はあった。ちょっとした敗北感。
7時半からの朝食までの間、テレビでニュースを見る。7時からのニュースはいつも見ているので、いつも見慣れている人たちがいつもの論調で喋っている。
朝食は基本和食。スクランブルエッグとソーセージもバイキング形式で食べれるのでいただく。僕はお米で洋風のおかずをいただくのが好きなのだ。むろん、和食も好きだが、今朝の魚は干物ではなかった。残念。
朝食の後はDVDの続きを見ようとするも、どうにも眠くて気がつくと10時半。急いでチェックアウトの支度をする。
この後は、とりあえず歩いて次の宿に行くことだけは決めているものの、特に他の予定はない。とりあえず、お昼ご飯を食べる場所を探して1時間ほど伊豆高原駅の周りをさまよい歩くが、どうにもピンとくるところがない。やはり昨日のお昼の量と値段にかなうところはないようだ。
というわけで、今日も昨日と同じ店、かね光水産でお昼を食べることに。
昨日は食べ過ぎたので、今日は普通に鯵のたたき定食1800円にした……のだが、ふと魔が差してカレイの唐揚げ単品780円を頼んでしまう。この値段なら、切り身を唐揚げにしたものが数個かな、と思っていた僕は甘かった。甘すぎた。まさかこんなに大きなカレイが一匹丸ごと出てくるとは。しかも揚げ具合が絶妙で、身はほっくりという感じでポン酢がよく合うし、縁側の部分はカラリと揚がり骨までパリパリとおいしくいただけた。お陰で後に残ったのは頭と中骨だけである。鯵のたたきも普通においしく、ブリ大根も昨日同様骨まで柔らかくいただけた。
おまけの蜜柑をもらうと店を出る。時刻は午後1時。これから午後3時のチェックインを目指し、5キロ先のホテルを徒歩で目指すのだ。普通だったら楽勝なのだが、今回は荷物を抱えての移動だ。それほど重いというわけではないが、無視できるほど軽くもない。
とにかく、ゆっくり行こうと歩き始める。最初のうちは周りに店があったので適当に冷やかしながら行く。東急ストアがあったりして面白い。おみやげに伊豆限定のお菓子とか探したけれどなかった。そのかわり鮮魚コーナーでは地魚が置いてあったりして、いかにも伊豆、という感じである。
ある程度進むと、周りに店がなくなってきた。ひたすら歩くしかない。そのかわり、今度は景色がよい。突然、眼前一面に海が広がった。おそらく城ヶ崎の先の辺りだろう、と思ったら、案の定遊覧船の看板があった。そのまま海を右手に、潮風に吹かれつつ進む。
携帯のナビではそろそろホテルの近くまで来ているはずなのに、一向にそれらしくなってこない。あるはずの看板が出てこないし、それどころか普通の住宅が増えてきた。どうしたものか……と思っていたら、どうやらナビが示した道は裏道だったらしい。1本道を入ったら、突然ホテルの前に出た。時は午後2時15分、早く着きすぎてしまった。
ホテルの名前は「ホテル海」。一人で泊まれて、よい露天風呂ことを条件に探していて探していてたどり着いた宿である。
ロビーでチェックインまで待つようにいわれ移動する。一面がガラス張りで、その視界は木と空と、そして真っ青な海。さすがホテルの名前に海を冠するだけのことはある。
時間が出来たので日記を書き進める。こういう時に場所を選ばず文章を書けるのがW-ZERO3のよいところである。今日のチェックアウトのところまで書いたところで3時になり、フロントに移動する。ちなみにこのホテル、フロントとレストランがある建物と、ロビーや客室、大浴場がある建物は別であり、ロビーのある建物は入り口で靴を脱いではいる。でも建物の中はどう見ても洋風な作りであり、なんとも面白い。
フロントから案内された客室は完全に洋室のツインルーム。窓の向こうはロビー同様一面の海である。正確には、眼下に木々が茂っているのだが、これくらいは仕方があるまい。おそらく海岸付近からの視線を遮るためだろうから。
のどが渇いた、と冷蔵庫を開けてから気が付いた。そうだ。普通の宿は全て有料なのだ。ペットボトルの海洋深層水が250円。もちろん、先日の宿のように、伊豆のおいしい水がいつでも飲めるように冷やしてある事もない。こういう点はやはり昨日の宿の方が気が利いている。
一休みしてから風呂に向かう。まずは大浴場。大、とはいっても、昨日の宿に比べればその広さは四分の一以下である。まあ、部屋数も15(そのうち3つは部屋に展望露天風呂付き)しかないので、この程度で十分なのかもしれない。一応露天風呂も付いているが、これは屋外に湯船がある、程度でしかない。
一通り汗を流したら、さっさとあがる。ここは前座でしかない。いよいよ本命の、展望野天風呂である。そもそもこの宿を選んだのは、その野天風呂に大きな評価が集まっていたからだ。期待も高まる。
さて、実際の風呂は噂に違わぬ、いや、期待以上にすばらしいものであった。その風呂はいわば、崖の上に位置している。眼下に木々が、そしてその先は一面の水平線。青い空に青い海がとけ込んでいる。そしてBGMはただ波の音が繰り返すのみ。まさに自然の中の展望露天風呂である。いやすばらしい。思わずFarewell Songを口ずさみながら*1その湯と景色を満喫した。ちなみに自分が行ったときには、他に客はいなかった。貸し切り状態である。これもすばらしかった。
十分に露天風呂を楽しんだ後は、夕飯までまどろむ。ライブラリもないし。DVDも見れないし。ホテルの中を探索しても楽しくないし。全く、こういうところは前日の宿の方がよかったと思う。
6時半から夕食。この宿はイタリアンということで、どういうものが出てくるか興味津々であった。ふたを開けてみると、和洋折衷というか和伊折衷というか、日本風のところがかなり見え隠れするイタリアンであった。量自体はあまり多くはないが、パンのおかわりを持ってきてくれるから問題なし。味もイタリアンにしては薄味で、お年寄りにも受け入れられ易いであろうと思われる。個人的には、鱈と春菊のトマトソース風のスパゲッティがとても気に入った。
ただやはり気になるのが飲み物。種類はたくさんあり、色々飲んでみたいのはやまやまなのだけど、やはりお金がかかることが気になる。結局ビールをグラス1杯と白ワインをグラス1杯だけにしておいたが、これで1,000円である。昨日の宿なら何も気にせず飲めたのに……と、ついつい比べてしまう。
夕飯を食べてから表に出ると、空は雨模様。野天風呂に行ってみるも見えるのは沖で漁をしている船の灯りのみ。これはかなり残念であった。晴れていれば、月明かりが海面に映った幻想的な景色が見えるらしいのだが……。
その後は、何もする気がせずにさっさと寝ることにした。時刻は10時。今朝も早くから起きていた、ということもあるし、明日も早く起きるつもりだからだ。予定は6時。日の出の6時半に野天風呂を目指す。

*1:TVアニメ版AIRのエンディングを思い出すような光景だったのですよ